気管支喘息
抗原の暴露により1型アレルギー(即時型アレルギー)が生じて気管支内腔が狭窄する病気です。夜間や早朝は交感神経の活動が低下するため気管支内腔が狭くなりやすく、この時間帯に咳や呼吸困難が起こりやすいのが特徴です。植物、食物、薬剤、動物のフケ、ハウスダストなどが抗原となり、血液検査で抗原の検索が可能です。また、寒さ、アトピー素因も複雑に関与します。ぜーぜーする通常の気管支喘息のほか、咳のでるタイプの「咳喘息」というのもあります。咳喘息は気管支喘息の前期症状といわれています。→気管支喘息の詳細
アレルギー性鼻炎、結膜炎
アレルギー性鼻炎には、主に2つの治療法があります。くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状をやわらげたりおさえたりする薬物療法(対症療法)と、アレルギーそのものを治療することで原因物質(アレルゲン)に対しての体質改善が期待できるアレルゲン免疫療法(根本治療)です。また、アレルゲンを日頃から除去したり、回避することも症状の改善に有効です。鼻から入るアレルゲンの量を少なくすることは、治療の第一歩となります。
それぞれの治療法のポイントをよく理解し、自分にはどんな治療法がよいか、医師と相談しましょう。
- 薬物療法
- 薬物療法は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状を、内服・点眼・点鼻薬を使っておさえます。アレルギーの原因(アレルゲン)を問わず治療することができます。症状のある部位(鼻や眼)に合わせて薬が選択できます。
- 舌下免疫療法
- スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法に、アレルゲン免疫療法が選択できます。アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅でも服用できるようになりました。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることができます。
- 服用期間
- 1日1回、少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間にわたり継続して服用します。初めての服用は、医療機関で医師の監督のもと行い、2日目からは自宅で服用します。
- 治療効果
- 正しく治療されれば、スギ花粉症の場合は初めてのスギ花粉飛散シーズンから、ダニアレルギー性鼻炎の場合は治療を始めて数ヶ月後から効果が期待されます。アレルギー症状を治したり、治療終了後も長期にわたり症状をおさえること、または症状が完全におさえられない場合でも、症状をやわらげ、おくすりの使用量を減らすことも期待できます。
- 副作用
- 主な副作用
- 口の中の浮腫、腫れ、かゆみ、不快感、異常感
- 唇の腫れ
- 喉(のど)の刺激感、不快感
- 耳のかゆみ など
重大な副作用
- 開始時期
- ①シダキュア(スギ花粉症):スギ花粉が飛んでいない、5月下旬頃~12月上旬頃
②ミティキュア(ダニアレルギー):季節を問わず、いつからでも始められます。
- 治療期間
- 治療期間は3年以上が推奨され、その間、毎日服用する必要があり、途中でやめると効果が薄れてしまいます。また、長期に中断した後再開する場合は、最初の少ない量から薬を再開する必要があります。
- 費用
- 保険で3割負担の場合の費用は下記のとおりです。
【初回】約7,000円(初診料、アレルギー検査料を含む)
【2回目以降】約600円(これと合わせてシダキュアやミティキュアなどの薬剤費が、毎月約1,500円かかります)
- 治療年齢
- 5歳以上
アナフィラキシー
アレルギー反応が短い時間で全身に激しくあらわれることをアナフィラキシーといいます。原因は、食べ物、ハチ刺され、薬剤、ラテックスゴム(天然ゴム)、まれにクラゲ、ヘビ、アリ、ダニ、ハムスター等による咬傷のこともあります。必要に応じて、血液検査でアレルゲンを特定してゆきます。食べ物の場合は原則原因物質を食べない食物除去ですが、栄養不足で健康や成長に影響が出ないように、アレルゲンの除去は最低限に抑えます。加工食品などは材料に注意しましょう。過去に強いアナフィラキシーの経験があったり、その危険がある場合は、アドレナリンを自分で注射する自己注射薬(アナフィラキシー補助治療剤)を常に携帯しておくとよいでしょう。