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長野県 千曲市 内科 呼吸器内科 

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マイコプラズマ肺炎Mycoplasma Pneumoniae

マイコプラズマ肺炎

 
 マイコプラズマ肺炎は、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)と呼ばれる菌による呼吸器感染症で、一般的な肺炎と異なり、学童期から成人にみられ、高齢者には少ない感染症です。ほとんどが軽症で、自然に治ることもありますが、ごく稀に重症化することがあります。
 4年に一度定期的に流行し「オリンピック肺炎」と呼ばれていたこともありますが、2020 年に新型コロナウイルス感染症が始まってから、大きな流行は確認されず、2024年の流行は最後の2016年の流行を超える大流行となっています。

【症状】
 発熱、倦怠感、頭痛、咽頭痛などの症状がでて数日後に、咳嗽(せき)が出てきます。せきは、痰が少ない乾いたせき(乾性咳嗽)が特徴で、解熱後も長く持続し、「長引く頑固なせき」です。呼吸器症状以外に、稀に中耳炎、皮疹、心筋炎、ギランバレー症候群(神経の炎症で手足が動きにくくなる)などを合併することもあります。
 潜伏期は2〜3週間で、家族内、もしくは、職場内などでしばしば拡がり、学校で流行を引き起こし易いことから、夏休み明けの新学期は要注意です。さらに子供が学校で感染し、家庭にもちこむ家族内感染事例も多く発生しています。

【診断】
 一般的な培養は生育まで4週間かかることから非現実的で、実際には胸部レントゲン画像や血液検査の抗体の上昇で診断していました。迅速診断では、10分程度で判明する抗原検査が多用されているものの実際の検出感度は2-3割と不十分であり、陰性であっても信用できません。これはマイコプラズマが下気道(喉より遠方)に存在し咽頭では検体が得られにくいことが原因です。わずかな検出量でも感度が9割程度と高感度なPCR検査が利用可能となり、より確実な診断につなげています。





【治療】
 軽症の場合には自然治癒もあります。一般にはマイコプラズマに感受性のある抗生物質で軽快します。近年、抗生物質が効きにくい耐性菌が増加しており、その場合は別の抗生物質に変更します。

【学童の出席停止期間】
 マイコプラズマ肺炎は、学校保健安全法で「第三種学校伝染病」に指定されているため、急性期は出席停止となります。一方で、明確な出席停止期間は定められておらず、症状が軽快したら登校可能となります。


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