かつては国民病といわれましたが、患者数は減少しています。しかし先進国の中では多く、平成23年には22,681人が発病しています。
患者さんがせきをしたときにでる細かいしぶきに含まれる結核菌が乾燥して空中を漂い、他の人が息をすると肺の中に吸い込まれて感染します。感染してすぐに病気にはならず、感染後発病する人は10〜15%程度です。
だるさ、発熱、体重減少、寝汗などが出ることもあります。せき、たんが出る場合、他人にうつる可能性が高くなります。感染しやすい人は免疫のない若者、糖尿病、がん、透析患者、慢性関節リウマチで治療中の人、エイズなどです。せきが二週間以上続く時にはレントゲン検査を受けましょう。
たんなどの培養で結核菌が見つかると発病していると考えられます。結核菌は発育が遅いので、最終結果が出るまでに長い場合 8週間近くかかります。
結核菌が大量にたんから検出される場合には結核専門施設に入院します。それ以外は通院治療できます。
治療は抗結核薬の内服で、最短でも6ヶ月間飲みます(最初の2ヶ月は4種類、その後の4ヶ月は2種類)。飲み忘れると、薬の効かない耐性結核となってしまうので、きちんと内服しましょう。治療終了後 2年間は再発しないか検査をうけます。結核治療中は病状の問い合わせが保健所からあります。
菌を大量にだしている患者さんの近くにいて発病する可能性が高い場合には、発病予防の薬をのみます。検診の指示は保健所が行います。